REDDITのAMAセッション:作曲家・音響監督ルドヴィグ・フォルセル

By Antonela Pounder
on August 6, 2020 3:45pm
REDDITのAMAセッション:作曲家・音響監督ルドヴィグ・フォルセル

先週、小島プロダクションの作曲家・音響監督を務めるルドヴィグ・フォルセル氏を交えて、2度目のReddit AMAセッションを開催しました。

すでにお伝えしたとおり、DEATH STRANDINGはつながりのゲームとして、人々がつながること、そして隔たりをなくすことを大事にしています。この「Ask Me Anything(何でも聞いての会)」においても最終的に最も重要なのは、コミュニティと小島プロダクションの距離を縮める機会を持つことです。

ルドヴィグのAMA選りすぐりの質問は以下のとおりです。AMAでのすべてのやりとりは、Redditをご覧ください。

コミュニティからの質問

ユーザー: mindfulotaku
質問:BBのテーマの雰囲気に最も当てはまるのは、どんな感情ですか?

回答:郷愁の感情をかき立てつつ、同時に悲しくもあり、どこか希望を持てるような曲をイメージしました。喪失や悲劇の過去があるけども、乗り越える強さがある、というような。これらのコンセプトはすべて、個人的には表現するのに居心地の悪さを感じるので、それを克服して感情移入するのに苦労しましたね…自分をさらけ出すような感じです。伝わってることを願います。

ユーザー:KakkaKarrotKake007
質問:こんにちは。DEATH STRANDINGのあなたの作品が本当に大好きです。作曲において、まったくの初心者に何かアドバイスはありますか?

回答:こんにちは、質問ありがとう。初心者には、自分が誇りに思えるような作品を作ってみることを強くおすすめします。最初はプロレベルというわけにはいかないかもしれませんが、誇れる作品を完成させて、次々にアイデアを出しては諦めないということが、成長につながる道だと思います。そこから始めて、”完成した”その作品を磨く新しいテクニックにもどんどん興味が出てくるでしょう。そうやって向上していくのです。曲作りには学ぶべきことがたくさんあるので、自分の目標にコツコツ取り組む姿勢が大事ですね。

ユーザー:Nitroid
質問:小島プロダクションでは、普段どんなふうにお仕事をされているのですか?

回答:最近はそのままですが起床して、スタジオまで歩いて行って、コンピューターの前に一日中座ってます。(笑)仕事内容は作品のフェーズによって大きく異なります。例えば初期の段階だとコンセプトの構築に取り組むのですが、制作に関する作業はあまり発生せず、モーションキャプチャーやミーティングが主な業務となります。本格的な制作に入った後は、半分は日本で作曲と、ゲームの流れを確認するため他の開発メンバーと実装に取り掛かっていました。もう半分はアメリカでレコーディングを行い、現地のサウンドデザインチームと一緒に作業しました。終盤は(最後の半年くらいかな)、作曲活動は減ってミキシングを完成させる作業が増え(つまり日本とアメリカを行ったり来たりしていた)、各サイド(言語)のコミュニケーションをキープしつつ不具合の解決作業をしていました。

ユーザー:Cignul
質問:素晴らしいサウンドトラックで、感動しっぱなしです。ゲームの特定の箇所と音楽を合わせるのは大変でしたか?リラックスしたシーンやキレイな景色で、曲が自動的に流れますよね。あとは引き上げられた物体と遭遇した時に張り詰めた曲になって、一気に緊張感が高まります。どうやってこういう演出をしたのですか?それとも、比較的簡単な作業なんでしょうか?

回答:あまり大多数の人が考えないけど重要なことの1つですよね。クリアするまでに30時間以上かかるゲームで、BGMがその進行に伴って自然なフィーリングを出すことがどれほど大変か、そしてそのためにはどれほどの作業が必要なのか。DEATH STRANDINGでは歩調を合わせてこの作業に取り組めたので、本当に良かったと思っています。大変な作業ですから。曲の実装ではありがたいことに、PlayStationのミュージックチームから多大な協力がありました。ひとつひとつのシーンで没入感を作り出し、プレイヤーに音楽とのつながりを感じてもらうために多くの時間を掛けましたね。特にノンリニアなゲームにおいて、音楽はプレイヤーの選択肢が何であろうともつじつまが合わなくてはいけません。

ASK ME ANYTHING(何でも聞いて)

これら以外にも、AMAでは多くの質問がありました。全概要はRedditのファン主導ページで御覧ください

この場を借りていつも応援していただいているDEATH STRANDINGのコミュニティ、当AMAの開催に尽力してくれたモデレーターチーム、そして回答を担当してくれたルドヴィグに、改めて感謝の意を表します。

今後、ぜひまたAMAを開催したいと思います!

どうぞお楽しみに…